ワクチンを打ちたくない本当の理由に
寄り添ってあげよう

 高齢の親がコロナワクチンを打たないと言ったら、まずは、その理由を聞くようにしましょう。それにはほんの少しのコツが必要です。

 私の元へ相談にきた社員に、親がワクチンを打たない理由を聞いてみると、「副作用(副反応)が怖い」「接種してもかかるときはコロナにかかるから」「若い人が先に打つべき」といった答えでした。しかし、その背景にある親の気持ちや、そういう結論に至った根拠までを理解できている社員(お子さん)はいませんでした。

 でも、その根底にある理由が分かったら、親の不安を解決できるかもしれません。例えば、副反応が怖いという気持ちがテレビ等の影響を受けすぎているのであれば、厚生労働省や世界保健機関(WHO)などの信頼できる情報を親に提供してはいかがでしょうか。

 また、親が過去に薬の副作用でつらい経験をしているのなら、かかりつけ医に一緒に相談に行けば、過去の副作用と今回のワクチンは関係ないと説明してくれるでしょう。

 過去にワクチンで重たいアレルギー反応であるアナフィラキシーを起こした人は、コロナワクチンの接種を勧めません。しかし、実際にはそのような人は少なく、飲み薬でじんましんが出た経験から嫌がるケースが多い印象です。

 それでも頑なに接種を嫌がるようであれば、「とても残念に思うが、自分たちが親に感染させたくはないので、しばらくは孫を含めて会えない」ということを伝えてみてはいかがでしょうか。ある社員は、親が「孫に会うため」という理由ですぐに考えを変えてくれたと報告してくれました。