日本女子プロゴルフツアーは、賞金総額が男子ツアーを上回るほどの人気ぶりを見せている。そんな中、女子ツアー随一の賞金総額を誇るアース・モンダミンカップのスポンサー、アース製薬がトーナメントの改革に着手している。特集『ゴルフ大全 ビジネス×人脈×カネ』(全12回)の#10では、女子ツアー人気の理由を解き明かし、トーナメントの改革に取り組む大塚達也・アース製薬会長のインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
女子ゴルフの海外メジャー頂点を
日本人同士が争う史上初の快挙
一体、誰がこんな場面を想像できただろうか。6月3日から開かれた女子ゴルフの海外五大メジャートーナメントの一つ、全米女子オープンゴルフ選手権の最終日。プレーオフに進んだのは、弱冠19歳の笹生優花と22歳の畑岡奈紗の2人だった。
プレーオフ3ホール目、笹生がフックラインを読み切ってバーディーパットを沈め、大会史上最年少での優勝を決めた。樋口久子、渋野日向子に次いで日本女子3人目のメジャーチャンピオンが誕生した。
笹生の主戦場である日本女子ゴルフツアーが活況を呈している。#8『日本男子プロゴルフツアー「失われた30年」、サントリーは撤退でZOZOは米ツアーへ』の通り、女子ツアーは2019年に男子ツアーの賞金総額を上回る人気ぶりだ。
スポンサーが重視するプロアマ(スポンサーの賓客を招いてプロが一緒にラウンドすること)の満足度が高いことはもちろん、女子プロ選手の強さも人気を集めている大きな理由である。
畑岡や渋野らがいる「黄金世代」(1998年度生まれ)、笹生を中心とした「プラチナ世代」(2000年度生まれ)といった若手がけん引し、おしゃれなウエアを身にまとって華麗なショットで魅了する“強くてかわいい”女子プロが次々と登場。選手層の厚さが、女子ゴルフファンを飽きさせずに引き付けているのだ。
その背景には、小林浩美会長率いる日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が長年取り組んできた改革がある。