世界の主要経済国の財務相たちは先週末、大企業の課税を巡る新たなルール作りに一歩近づいた(と彼らは考えている)。税収と「公平性」に関して互いにたたえ合う様子は無視してよい。今回の合意はコロナ禍から回復しつつある諸国、とりわけ米国にとっては悪い知らせだ。この合意は、経済協力開発機構(OECD)で行われている国際課税ルールの交渉に関係しており、実現すれば130カ国余りに影響が及ぶことになる。ジャネット・イエレン米財務長官など主要7カ国(G7)の財務トップは、話し合いが難航していた主な論点が解決したと話す。一つは、巨大IT(情報技術)企業に対する課税を、本社所在地ではなく利益を得る場所に基づいて行う新方式を導入しようというもの。もう一つは、国際的な最低法人税率を「少なくとも15%」にすること。3番目に、米国がそれに参加するということだ。ジョー・バイデン米大統領とイエレン氏は、このやり方がもしかすると国益にかなうかもしれないと考える米国で初めての指導者である。
【社説】G7課税合意はイエレン氏の降伏
新たな最低法人税率の代償は米国の労働者や消費者、株主が払うことになる
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