明白な課題はインフレだ。ただしそれは、信頼性のみにかかわる問題ではない。5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5%上昇し、食料品とエネルギーを除いたコア指数で見ると同3.8%上昇した。これは、4月のCPIの同4.2%の上昇や、春を通じての卸売物価指数の大幅な伸びに続くものだ。この上昇率の一部は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で抑制されていた1年前の物価との比較で生じる、いわゆるベース効果によるものだ。いずれ解消されるであろうサプライチェーン(供給網)の障害と繰り延べ需要も物価上昇の部分的要因になっている。FRBはまた、市場がインフレを懸念していないサインとして、10年物米国債の利回り低下を指摘している。
【社説】今週のFOMC、FRBにとって正念場に
信頼性と独立性が損なわれるリスクが高まっている
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