中国の台山原子力発電所は、世界的なエネルギー技術と安全基準を極めた中国政府の進歩を誇示することを狙ったプロジェクトだ。だが原子炉内の希ガス濃度の高まりが報告され、安全性を巡る問題で調査が行われている。欧州の最新世代の加圧水型原子炉技術を用いて建設された台山原発は2018年、フィンランドやフランスにおける同様のプロジェクトが遅れる中、加圧水型として世界初の稼働にこぎつけた。同発電所は中国が外国投資家と初めて結んだ原子力関連の合意に基づき、フランス電力公社(EDF)との協力で建設された。台山の所有者は2基の原子炉について、世界で最も強力だと述べている。中国では他に49基が稼働している。建設は多くの遅延に見舞われ、商用運転まで約10年かかった。新型原子炉は燃料技術の向上、熱効率の改善、安全システムの強化などにより、化石燃料への依存度を低減する中国の取り組みの要となっている。