疑問山積でも国会は延長せず、森山流「攻めの国対」術の極意先進7カ国首脳会議(G7サミット)の2日目の討議に臨む、首相の菅義偉らG7と招待国の首脳ら。菅は東京五輪開催問題でG7の支持を取り付けて胸を張った Photo:AFP=時事

 首相官邸とメディアとの間で長く続く取材慣行の一つに、「内政懇」がある。首相が外国訪問をした際に、現地で同行記者団から帰国後の政権運営について取材を受けることをいう。出席できるのは首相に同行した各社1人だけ。基本的には政治部所属の記者に限定される。

 初めて先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した首相の菅義偉も最終日の6月13日午後(日本時間14日未明)、内政懇を行った。場所はサミットが開かれた英コーンウォールの「アトランティック・ホテル・ニューキー」。過密スケジュールを終えたからだろう。菅のリラックスした様子が懇談メモからも浮かび上がってくる。

 今や前首相の安倍晋三との確執も囁かれる自民党幹事長、二階俊博の評価についても質問が飛んだ。

「党の問題に対して神経を使わずに国政に専念できている。大変評価させていただいている。ありがたいと思っている」

 ただし、菅は秋に想定される総裁選や総選挙後に二階を続投させるかどうかに関しては答えていない。さらにこんな“直球”が菅に投げ込まれた。

「G7サミットは、来年はドイツ、再来年は日本で行われるが、首相として出席するのか」