新型コロナウイルス危機を受けて米国で退職者が急増したことが、連邦準備制度理事会(FRB)の緩和解除の計画を難しくしている。ジェローム・パウエル議長は16日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「現在は極めて異例の時期であり、このような状況に遭遇する経験のひな形はない」と述べた。「われわれのデータ理解能力について謙虚でなければならない」FRB当局者はコロナ禍を通じて、労働市場が完全雇用に戻るまで、事実上のゼロ金利政策を維持する公算が大きいとの考えを強調してきた。完全雇用とは、インフレ高進を招くことなく、就職を希望する人なら誰でも職を手に入られる状態を示す。そもそも、完全雇用の状態にあるかどうか正確に把握することは常に難しかったが、ここにきて難易度がさらに上がっている。当局者は雇用創出の規模や、就職者や求職者が成人人口に占める割合など、一連のデータを注視している。
FRBに「完全雇用」の難題、退職者急増が波乱要因
パウエル氏は、この先の労働参加率がどうなるのか正確には分からないと述べた
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