「女子校のプールの水になりたい」発言をそこまで擁護する人がいることも驚くが、気に入らない意見を言った人を集団で袋だたきにすることにも驚く。まるでふざけた男子を注意した女子学級委員を集団でいじめて、不登校にさせるような構図だ。

 しかし「法クラ」では、これは珍しいことではないのかもしれない。検索すると過去に「報道だけでなぜ被告人が有罪だと断定しているのか,その根拠を説明してください。我々法クラが納得する形で」と一般人に「法クラ」の権威をかさに着て言い募ったり、「さてさて、法クラ恒例のボコりがはじまりましたが、どうすっかなぁ」とツイッター上でのいじめが法クラ恒例であることを暴露してしいる弁護士がいることがわかる。

 調べれば調べるほど、「頭がいい人たち」が権威と見せかけの論理で人を踏みにじるさまが発掘され、嫌な気持ちになった。

 もちろん、すべての弁護士がこうではなく、ひんしゅくを買っている弁護士はごく一部というのは大前提ではあるが、このようなツイートを見て率直に弁護士への信頼感が下がった。こうやって書くことも「信頼感を下げているのは弁護士ではなくこの記事だ」とたたきのめされそうだ。

批判に対して訴訟をチラつかせた弁護士も

 同じ法曹関係でも、現役の裁判官や検察官を名乗ってツイートを行っているアカウントはほとんど見かけない。不適切投稿で訴追が決定した岡口基一判事は例外中の例外であるし、奔放にツイートすれば彼のように組織から目をつけられてしまう。

 一方、弁護士のツイートが目立つのは、単に自営業ゆえの気楽さなのだろう。一般人にとって弁護士の法的知識にちなむツイートが有用なことも多いが、どうかその知識で「法クラ」を権威化し傍若無人に振る舞うことには慎重になってほしい。

 ちなみにここまででおなかがいっぱいの読者も多いことと思うが、「女子校のプールの水になりたい」弁護士の話はこれだけに終わらない。

「プールの水」ツイートをしていたのはほとんどが実名を明かしていない匿名の弁護士アカウントだったが、中には実名や所属がわかるアカウントもあった。このうちの一つが、子どもや障害者の社会的福祉支援に携わり、東京のフリースクールで行われた子どもへの性暴力事件について法人の対応を検証する委員を務める男性弁護士だった(フリースクールで行われた人権侵害の検証と発表されているが、実質は性暴力事件を発端としたもの)。

 子どもの権利を守り、大人から子どもへの性暴力を検証する立場にいる弁護士が、一度ならず繰り返し「女子校のプールの水になりたい」などの「ネタ」を投稿していたということだ。

 これはまるで、死刑反対派の弁護士が「死刑囚を締め上げる縄になりたい」とツイートし、批判されたら仲間が「身内でふざけてただけなのに」「縄になれるわけないんだから冗談とわかるはずだ」「怖いと批判する方に加害性がある」と擁護するようなものではないか。※詳細は「【号外】「女子校のプールの水になりたい」弁護士に性暴力被害者が伝えたいこと」

 この一件は、前述の「女子校のプールの水になりたい」について苦言を呈した女性の弁護士が追い込まれた話とは別件であるが、ここでも似たようなことが起こった。弁護士もすぐに謝罪すればよかったのだが、あろうことか批判者に対して名誉毀損の訴訟をちらつかせて、その後はアカウントに鍵をかけてしまった。ツイッターは治安の悪いところとはいえ、あまりにもお粗末な話である。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
29段落目:性暴力の検証委員も行っている男性弁護士→性暴力事件について法人の対応を検証する委員を務める男性弁護士
(2021年6月18日16:28 ダイヤモンド編集部)

32段落目:この弁護士もすぐに謝罪すればよかったのだが、あろうことか批判者に対して名誉毀損の訴訟をちらつかせて、その後はアカウントに鍵をかけてしまった。ツイッターは治安の悪いところとはいえ、あまりにもお粗末な話である。
→この一件は、前述の「女子校のプールの水になりたい」について苦言を呈した女性の弁護士が追い込まれた話とは別件であるが、ここでも似たようなことが起こった。弁護士もすぐに謝罪すればよかったのだが、あろうことか批判者に対して名誉毀損の訴訟をちらつかせて、その後はアカウントに鍵をかけてしまった。ツイッターは治安の悪いところとはいえ、あまりにもお粗末な話である。
(2021年6月28日11:01 ダイヤモンド編集部)