「行こうぜ1兆!2023」――。9期連続最高益を見込み、中期経営計画で掲げる「売上高1兆円」の達成が見えてきたオープンハウス。コロナ禍でも戸建て販売が好調で会社計画を上方修正するなど、その勢いに陰りは見えない。特集『業績 再編 給与 5年後の業界地図』(全16回)の#14では圧倒的成長の秘訣や、今後の戦略・リスクについて同社の若旅孝太郎取締役常務執行役員を直撃した。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
圧倒的な土地の仕入れ力と販売力で
リーマン後に業績を一気に加速
――コロナ禍でも9期連続で最高益を更新見込みです。
1997年に創業しましたが、不動産の仲介からスタートしました。リーマンショックの前までは仲介が中心で、あまりリスクを取らずにビジネスをやっていました。
リーマンを契機に勢いよくやっていたプレーヤーがいなくなったので、そこから一気に加速。「都心部の新築の戸建て」という実需を中心とした安定的で強いコンテンツにフォーカスして、そこにプラスしてマンション、収益不動産、直近では米国の不動産を絡めて事業を伸ばしました。M&Aも積極的に取り組みました。
――他社との差別化や成功要因について教えてください。
特徴は入り口と出口が強いことです。土地の仕入れと販売ですね。同じ戸建てを取り扱う郊外型のパワービルダーさんとの大きな違いは自社で販売をするところです。
彼らは郊外で土地を仕入れて安く建てて、販売は基本的に外に出している。当社は土地を仕入れて建てて売るというのを全部一気通貫でやっています。「売れるもの」は販売を担当する仲介が知っています。そこが他社との大きな違いですね。
では同じようにできるのかというと、営業部隊を大きな強い組織で維持拡大していくことは、そう簡単にはできません。当社の場合、仲介から始まり、リーマンの前まで約10年間、販売の組織をしっかりつくり上げてきた。そこが次の10年につながってきている。
――中期経営計画で掲げた「行こうぜ1兆!2023」(23年9月期の売上高目標1兆円)ですが、見えてきましたか。