大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。ハーバードを首席で卒業後、ニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業。現在はテレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとしても活躍しています。すみれさんが学び、実践してきた「考える力」を、いかに個人や組織で実践するか? 事例やエピソードとともに、わかりやすく紹介します。

勉強するPhoto: Adobe Stock

自分の限界を超える経験をすれば
いまから地頭力は高められる

地頭力は生まれ持った頭のよさで、自分の努力では高まらないと思っていませんか?

私は、ハーバードで地頭がかなり鍛えられたという実感がありますから、後天的に地頭力を高めることは可能だと思っています。

ハーバードでは、授業で出される大量の課題をこなすため、頭を毎日“超高速回転”させているようなものでした。

そんな日々を送っているうちに、いつの間にか脳の処理速度が上がってきたように感じます。

パソコンのCPU(中央演算処理装置)は、どんなに使っても処理速度は高まりませんが、どうやらヒトの脳は使えば使うほど能力が上がるようです。

ハーバードは、「Smart」な学生だらけだったので、彼らと同じ環境に身を置いて切磋琢磨しているうちに、頭の回転数が少しずつ上がってきたような気もします。

「環境が人を変える」というのは、あながち間違っていないようです。

無理に思えるほどの課題を解決するために頭を超高速回転させるような、自分の限界を超えて頭を使わないといけない環境にあえて身を置くようにすれば、地頭力は鍛えられます。

ビジネスパーソンなら、あえて厳しい環境に身を置くために、思い切って最先端のスタートアップ企業などに転職をするという選択肢だってあります。

転職がドラスティックすぎるというのであれば、制度さえ整っていれば、企業間留学で他の企業で働いたり、社費留学で海外大学院で学んだりという手段も考えられます。

あるいは、その日のタスクのスケジューリングを変えてみてはどうでしょうか。

これまでの経験上、残業しないと終わらないようなタスクを定時までに終わらせると決めて、「5分間メソッド」を駆使して頭の処理速度を上げてみるのです。

主夫・主婦の方であれば、時間の刻み方を変えることで効率が上がり、自分の時間を増やすことも可能になるはずです。

そんな工夫を凝らしていると、脳のCPUの性能がちょっとずつ上がってくる感覚を得られるようになると思います。

学生であれば、私のようにあえて塾に行かず、自宅で能率的に独学する手法を探求してみるのもいいかもしれません。

自分の置かれた環境を変えて、思考のパフォーマンスを上げて地頭力を上げることは、工夫次第で十分可能だと思います。