失敗を「ちょっとした」と言っている時点で、失敗の重要さがわかっていないのです。その人は失敗から学んでいません。

 雇う側としては、失敗から学ばないことが怖いのです。評価されない仕事、収入にならない仕事、感謝もされない仕事を楽しんでできる人が、一緒に仕事をしたいなと思える人になるのです。

「売れるかどうか」より「面白がれるかどうか」

 仕事や企画を持ちかけた時に、「売れますかね」「儲かりますかね」と言う人がいます。その人の基準は、最初に「儲かる」というところに来ています。

 その仕事を面白がるという発想がないのです。そういう人は、一緒に仕事をしたいと思われません。つまらないことを、いかに面白がれるかです。

 私は出版社から出された企画を自分で面白がっています。パッと出されたお題に対して、大喜利のように考えていくのです。そのほうが自分でお題を出すよりも発想が広がります。

 自分でお題を出すと、自分の最初の発想の中で予定調和のものになってしまう危険性があるのです。私は「お題を客席からいただいている」という感覚で、「そのタイトルなら、こうかな」と考えるのです。

 結果としてタイトルが変われば、そこから化学反応を起こせばいいだけです。仕事は、受注産業です。与えられたお題を、いかに自分が面白がるかです。

「面白がる」の対極にあるのが、「売れるか」「儲かるか」なのです。