世界1~10位World University Rankings2021『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)から 拡大画像表示

 別表では1位~20位と、日本の大学の順位を掲載している。上位を占めるのはアメリカやイギリスの大学。「論文」の指標が軒並み90台後半と高い。アジアの大学をみると、中国の清華大が20位、北京大は23位、その次にシンガポール国立大(25位)が入る。日本トップの東京大は36位、京都大が54位だ。

世界11~20位World University Rankings2021『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)から 拡大画像表示

 ランキングは毎年発表されているが、20位以内にアジアの大学が入るのは、現在のランキング指標が導入された2011年以降初めて。15年には北京大が42位、清華大は47位だったので、大きく順位を上げている。

 日本の大学の順位も上がっている。15年、東京大は43位、京都大は88位だった。だがそれ以上にアジアの他大学の上昇は大きい。今年3月に行われた内閣府による総合科学技術・イノベーション会議(第53回)の資料では、「また、海外に目を向けてみると、アジアの主要大学が研究、予算面で存在感を増しており、我が国は欧米のトップ大学はもとより、アジアの中でも存在感が低下している」と懸念が示されている。

日本の大学の順位World University Rankings2021『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)から 拡大画像表示

 中国の躍進の背景には何があるのか。比較政治経済政策論が専門で中国の科学技術政策に詳しい角南(すなみ)篤さん(笹川平和財団理事長・政策研究大学院大学客員教授)はこう話す。