【ランキング】東京五輪日本代表の出身大学ベスト15
東京五輪出場選手の出身大学別ランキング(判明分のみ) 拡大画像表示

 1位は日本体育大の57人。2位をダブルスコアで大きく引き離した。競泳、水球、サッカー、ボクシング、バレーボール、体操、レスリング、セーリング、ハンドボール、自転車、フェンシング、柔道、カヌー、アーチェリー、7人制ラグビーなどさまざまな競技に代表を送り出している。このなかで水球14人(男女合計)がもっとも多い。

 内村航平(体操)は2008年、12年、16年に続いて、東京2020大会に出場となった。村上茉愛(体操)は2大会連続出場となる。阿部一二三と阿部詩(柔道)の兄妹はいすれもオリンピック初出場だが、世界選手権を制しており金メダル候補だ。高橋藍(バレーボール)は2020年に入学し、バレーボール日本代表のなかでは最年少の19歳である。日本体育大の具志堅幸司前学長は1984年大会において体操で金メダリストとなった。

 2位は早稲田大で28人だ。吉田麻也(サッカー)、瀬戸大也(水泳)、藤田慶和(ラグビー)、大迫傑(マラソン)、寺田明日香(陸上)など知名度が高いアスリートがそろう。吉田麻也は2014年、18年サッカーワールドカップ、08年、12年オリンピックに出場しており、今回は主将をつとめる。藤田慶和は15年ラグビーワードカップ日本代表となりトライをあげたが、その後、世界大会での活躍が見られず、捲土重来をはかる。

 早稲田大ではトップアスリート選抜入試を行っており、その出願資格は「出願時点でオリンピックや世界選手権などの国際的レベルの競技大会への出場経験、もしくはそれに相当するレベルの競技能力を有すること」とある。これによって早稲田大は世界で勝てるアスリートを受け入れることができた。同入試を経て日本代表となったのが19年入学の大塚達宣(バレーボール)、畠田瞳(体操)、18年入学の須崎優衣(レスリング)などである。

 3位は日本大26人。日本大でもっとも有名なオリンピック代表は池江璃花子(競泳)だろう。2019年2月、自身のツイッターで白血病であることを公にして療養生活に入った。「2024年パリ大会をめざす」と話しており、20年に東京大会が開かれていたら出場は絶望的な状況だった。だが、21年に延期となり、この間、池江は驚異的な回復を見せる。代表選考を兼ねた大会で優勝し、東京2020大会の代表入りを果たした。

 池江が日本大に入学したのは療養中の19年。その前年、日本大はアメリカンフットボール部の悪質タックル問題で大きく揺れていた。日本大関係者がこんな話をしている。

「アメフト問題がなければ、オリンピックで代表入りするアスリートがもう少し入学していたと思います。日大はこわいというイメージから避けられて、日体大さんに流れたのではないでしょうか。残念です」

 日本大はゴルフ、射撃、セーリング、水泳(飛び込み)など、競技者人口が少ない種目で代表を送り込んでおり、体育会の充実ぶりを示している。

 4位は筑波大24人。1912年のストックホルム大会で、日本人として初めてオリンピックに出場したのは、当時東京高等師範学校の学生だった、金栗四三だ。同校は戦後、東京教育大、筑波大に継承され、アスリート養成の歴史と伝統はいまに伝わっている。

 サッカー女子の熊谷紗希は、2011年ワールドカップドイツ大会で初優勝したときのメンバーで、全試合にフル出場していた。

 自転車競技の與那嶺恵理は、2016年大会に続いて2度目の出場となる。神戸女学院高等学部から筑波大体育専門学群に進み、大学2年のときに自転車競技を始めた。その経緯がおもしろい。こう振り返っている。