安いニッポン 売られる日本#22Photo:sompong_tom/gettyimages

ものづくり志向が強い日本人。ところが「ものづくりの最大勢力」というべき自動車業界が、どうにもさえない状況だ。では自動車でないなら、どんなものづくり業界の選択肢があるのか。特集『安いニッポン 買われる日本』(全24回)の#22では、産業機械を中心とする製造業界の給料動向をグローバルに分析した。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

もはやさえない自動車
まだ「食えそう」な製造業はどこにある

 職人かたぎの人が多い日本では、ものづくり業界は根強い人気がある。ところが「ものづくりの最大勢力」だった自動車業界がどうにも冴えない。

 例えばホンダが約10年ぶりに実施した早期退職募集に、2000人超が応募したことが8月6日の新聞報道で明らかになった。国内正社員の20人に1人が応募した計算で、会社の想定を大きく上回ったという。

 それも無理はない。本特集ですでに伝えたように、自動車業界の給料水準は海外同業に対して著しく見劣りし、世界のライバルと競争する上で大きな懸念を抱えているからだ(関連記事#2『トヨタ・ホンダ・日産に待ち受ける「安月給地獄」、自動車“勝ち組論”に待った』)。

 ではものづくりを愛する人は、自動車でないならどの業界を目指せばよいのか?グローバルなデータから、「まだ食えそう」な製造業企業を探った。

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