東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故から10年が過ぎ、東京電力ホールディングス(HD)は正念場を迎えている。経営再建の柱にしていた柏崎刈羽原発の再稼働は、自らの不祥事によってはるかかなたに遠のいた。業績不振が続く小売り事業は、復活の兆しが見えない。そんな中、東電HD会長に経済同友会代表幹事や三菱ケミカルホールディングス会長などを歴任した大物経営者の小林喜光氏が就任した。小林氏は三菱ケミカルで実践した経営スタイルを東電にも持ち込み、構造改革を断行する運びだ。その先にあるのは、東電の「解体」である。特集『東京電力 解体』は、8月10日から14日までの全5回でお届けする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
#1 8月10日(火)
東京電力が虎の子「再エネ事業」を一部売却へ、仰天構想が判明【スクープ完全版】
東京電力ホールディングスの子会社で、再生可能エネルギー事業を担う東京電力リニューアブルパワー(RP)を一部売却する構想が、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。脱炭素ブームで注目が集まる再エネを担う東電RPは、東電グループの虎の子事業である。その虎の子事業を、なぜ手放そうとしているのか。
#2 8月11日(水)配信
東京電力小売り事業の売却先はENEOS・東京ガス・丸紅か、東電グループ最終形態を大胆予想!
小売り事業を担う東京電力エナジーパートナー(EP)は、電力小売り全面自由化で顧客流出が止まらず不振が続いている。東電EPは、いよいよ一部事業譲渡に向けた地ならしを始めたことが分かった。東電グループの「最終形態」についても、大胆に予想する。
#3 8月12日(木)配信
東京電力「次期社長レース」を徹底取材、ポスト小早川の有力候補4人とは?
東京電力史上最年少の53歳でトップに抜てきされた小早川智明社長は、就任5年目に突入した。来期にも社長交代との観測が流れている。東電の次期社長レースを徹底取材。ポスト小早川は4人に絞られつつある。
#4 8月13日(金)配信
東京電力社員の平均年収は「800万円超」、3.11前の水準を超えた理由
東京電力は東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故で、経営危機に陥った。事故後に社員は給与2割カットとなり、福利厚生も次々と削られた。ところが、社員の平均給与は2020年度には震災前を上回る水準になっている。
#5 8月14日(土)配信
「東電はもう死んでいる。早く介錯を」、東京電力エリートOB覆面座談会
東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故後、東京電力の優秀な社員は見切りをつけて同社を去った。東電のエリートOBは現在の東電グループについて、何を思うのか。徹底取材を基に、覆面座談会形式にまとめた。
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