90歳でも自分で運転するのは当たり前の時代へ!?<br />「中山間(ちゅうさんかん)地域」の現実トヨタ車体・新型「コムス」。CEATEC2012(幕張メッセ)での体験試乗会 Photo by Kenji Momota

 そして、上記③に関して、「郷の駅」関連資料では、「マイカー」の代替として、トヨタ車体「コムス」を紹介している。「高齢化が進む中山間地域では今後、現在と同じようなマイカーを維持するのは難しい。車両価格と燃料代や車検代などの維持費を考えると、コムス等の超小型モビリティ(ミニカー含む)の活用を広げるべきだ」(藤山氏)という。

 こうした研究成果に対して筆者は「コスト面だけ考慮するなら、日本版ポストバスだけあれば、高齢者対応は必要十分なのではないか?」と、思った。

 ところが、ある研究成果を見て、筆者の考え方が間違っているのかもしれない、と気がついた。それは、島根取材の2日後、国土交通省管轄の研究機関、独立行政法人・交通安全環境研究所が行なったフォーラム(東京都渋谷区・国連大学、ウ・タント国際会議場)でのことだ。

高齢者の外出目的は
「多様で不規則」

 発表題目は「歩行者事故予防に向けた高齢者の行動特性と道路横断タイミングに関する基礎調査」。被試験者は、東京郊外在住の高齢者が男性11人、女性4人(平均年齢75.4歳)、若年者が男性2人、女性8人(33.5歳)。さらに、秋田県在住の高齢者が男性8人、女性8人(同66.8歳)、若年者が男性16人、女性1人(同22.5歳)だった。

 同調査のなかで行われた、外出目的のアンケートは興味深い結果となった。若年者の場合、仕事、通学、買い物など外出の目的は限定的だった。対する高齢者の場合、習い事やクラブの集まり、近所の散歩など、目的が多様化し、移動する時間帯も様々だ。

 一般的には、「高齢者の活動パターンは限定的」と思いがちだ。だが、上記の調査結果が示す通り、よくよく考えてみれば「高齢者の活動パターンは多様で不規則」なのだ。

 これを中山間地域や都市部周辺の団地での、高齢者の外出に当てはめてみると、「日本版ポストバスだけでは不十分では?」と思えてくる。「郷の駅」のような「小さな拠点」との往復、ご近所の友達のウチに遊びに行く、朝晩の散歩などで、気軽に手軽に自分自身で乗れる「移動体」が必要なのだ。