人は、タンパク質が少なく、糖質が過剰な食事を一度にたくさん食べると、怒りやすい状態になります。また、そういった食生活を続けることで怒りっぽい人になる、と言えます。

先ほど、ストレス耐性や、怒りや不安の抑制にセロトニンという脳内物質が関係しているとお話ししましたが、タンパク質にはそのセロトニンの原料となるトリプトファンが含まれています。

よって、タンパク質の欠乏は、セロトニンを減少させ、落ち込みやイライラを起こしやすくするのです。つまり、タンパク質の摂取量が少ない人は、イライラしやすい、怒りっぽい、というわけです。

トリプトファンは肉類に多く含まれています。ですから、イライラしたり怒りっぽくなったりしないためには、日頃からタンパク質を多く含む肉類を食べればいいわけです。

しかし、トリプトファンには悪玉コレステロールを増やすリスクもあります。そのため、魚や卵、大豆などもバランスよく食べることが必要です。青魚には、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化や心筋梗塞を防止するオメガ3系脂肪酸がたくさん含まれていることで知られています。なお、トリプトファンからセロトニンを合成するためには、葉酸、鉄、ナイアシン、ビタミンB6などが必要です。

また、糖質の過剰摂取が血糖値を急上昇させることにも気をつけたいものです。

それによりインスリンの過剰分泌が引き起こされ、その結果、低血糖状態を招き、動悸、頭痛、イライラ、不安といった症状が出やすくなります。

血糖値の急激な変化を防止するには、食事の回数を増やすことが効果的です。一日に一食や二食といった食事回数によって血糖値の変動が激しくなることもわかっています。

糖質が過剰になりやすい食べ物としては、白米、白パン、ケーキ、ドーナツ、果物ジュース、お好み焼きなどが挙げられます。これらを食べるときには、食物繊維が豊富な野菜を食べることで血糖値の急上昇を防止することができます。

つまり、血糖値の上昇は、食事をとる順番で抑えることが可能です。野菜→タンパク質→ご飯、の順序で食べるとよいでしょう。