コオロギを食べる、恐れとの戦い

 Amazonで2種のコオロギ食品を注文した。「スーパーコオロギおつまみせんべいセット(黒コショウ味と七味唐辛子味)」と「コオロギ食べくらべキット」で、注文の翌日に昆虫食が届くあたりが、いかにも近未来という感じがしてよろしい。
 
 試食に臨んだのは筆者(41歳男性)と、めい(7歳女性)、娘(3歳女性)の3名である。ただの子守りの延長のように思われるかもしれぬが、「日本人の未来を占う」という目的のためには、これ以上ないくらい適した参加者を選抜したつもりである。

 「エビのような風味」はどこにあるのかと探すつもりで味わってみたのだが、これは発見できなかった。本当に、なんの変哲もないただのせんべいである。めいは気に入ったらしく、「おいしい」といって次々に食べていた。娘も気に入ったようであった。
 
 試食参加者のそれぞれの虫耐性についてだが、筆者がまず一般の人並みに虫が苦手で、小さい昆虫ならギリギリ素手で触れる、くらい。めいは虫嫌いを発揮させ始めたお年頃で、娘は大人に倣って虫を怖がるが、外で遊んでいる時は喜々としてダンゴ虫を複数匹腕にはわせて、「かわいいね」とうっとりすることもある。
 
 まず、コオロギせんべいの黒コショウ味を食べてみることにした。見た目は無印良品のものと変わらず、どこにもコオロギ感がない。米でできたせんべいであり、表面に黒い点が認められ、めいはさっそく「あっ、黒いのが!」と恐々としていたが、おそらくコショウの粒であり、それを教えたら安心していた。
 
 コオロギを口に運ぶのは気が進まないが、取材の一環なので食べないことにはどうしようもない。おそるおそる口に含んで咀嚼(そしゃく)してみると、味は良かった。普通のおいしいせんべいである。