メガベンチャーの採用意欲が旺盛だ。伸びている若い会社で働くのはビジネスマンにとっても魅力であり、時価総額上位50社の平均年収ランキングを見ると、給与水準が大企業並みのベンチャーも多い。とはいえ、求められるスキルは高く、採用意欲はあっても「人材が採れない」と嘆くベンチャーも多い。特集『目指せGAFA! メガベンチャー番付』(全10回)の#4では、最新のベンチャー企業への転職のリアルを専門家に取材した。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
大企業のリストラが目立つ中で
メガベンチャーは採用意欲が強い
ホンダやパナソニックなどリストラに必死な大企業が目立つ一方で、「人員大幅拡大」(エムスリー)、「新卒300人入社」(サイバーエージェント)を発表するなどメガベンチャーには採用意欲が強い企業が多い。
「2019年1~3月を100とすると、21年4~6月のメガベンチャーの求人指数は118。コロナ禍で多少落ち込みましたが、足元はコロナ前を大きく上回っています」(ビズリーチ事業部ビジネス開発統括部統括部長の伊藤綾氏)
全産業で見ると、有効求人倍率はコロナ前と比較して、完全には復調していない。にもかかわらず、メガベンチャーの採用意欲が強いのはなぜか。
もともとメガベンチャーは業績堅調で新規事業にも積極的な企業が多く、慢性的に人手が不足しがちであった。さらにメガベンチャーの多くはIT企業で、コロナ禍でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が追い風になった企業が多い。特にハイクラス即戦力人材は取り合いになっている。
近年はメガベンチャーの存在感が増していることもあり、総合商社やメガバンク、公務員など従来型エリートからの転職も増えている。ただし、いかに前職がエリートであっても、旬のメガベンチャーへの転職は簡単ではない。
次ページでは人気のメガベンチャーの平均年収を大公開。また採用側が求めるスキルや、転職の実情についても紹介する。技術系なら今どの分野が熱いのか。大手企業の文系社員が転職する場合の狙い目の職種など、初公開の検索データを使って紹介しよう。