グループ内の上場企業10社の時価総額合計が1.9兆円にまで拡大したGMOインターネットグループ。中核企業のGMOインターネットは13期連続最高益更新が視野に入る。だが一方で、親子で時価総額の逆転現が起きるなど、親子上場に対する批判も根強い。特集『目指せGAFA! メガベンチャー番付』(全10回)の#2では、グループ代表の熊谷正寿氏に親子上場の真意や「55カ年計画」、暗号資産と銀行事業、取締役全員で唱和する社風、「年収日本一」達成への道筋など、短期から長期までの成長戦略を幅広く語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
営業は旧財閥グループのやり方を研究
親子上場は50年後には正しかったといわれる
――2021年12月期は第2四半期まで38%営業増益と、成長が加速しています。特に「岩盤収益」部門のインフラ事業が着実に伸びています。
一番の要因は組織力です。外的要因では、新型コロナウイルスの感染拡大でプロダクトの利用状況が加速しましたが、在宅勤務が続く中で成長できているのは26年間で築いてきた組織力が大きいと考えています。
営業に関しては鉄道財閥を含む旧財閥グループのやり方を研究してつくってきました。鉄道財閥の場合、都心に近い所に(東京・)渋谷駅を造り、一番奥に遊園地を造る。平日と休日のトラフィックを造り、手前から開拓していく。
金融系の財閥だと、銅山や海運でモノの流れをつくり、金融の事業に進出する。それをインターネットに重ね合わせてきました。それが今の収益になっています。
――グループの上場10社の時価総額合計が1兆9000億円程度にまで拡大しています。一方で、親子上場には批判もあります。