60歳までに2000万円以上作りたい、35歳会社員

「貯金を増やし、60歳までに最低でも2000万円を作りたい」と相談に来たのは、会社員のOさん(35歳、独身)。将来、それだけで十分暮らせるだけの年金はもらえないだろうし、今後転職する可能性があるので、退職金も十分見込めないと危惧し、自力で60歳までに2000万円の資産を作ろうと考えているようです。

 この2000万円という目標額が、Oさんにとって妥当なのか、まだ詳しくは検証していません。ですが、これを目標と考えるなら、今の貯金400万円から目標額に不足する1600万円を、25年でためていくことになります。それは、支出を削減し、貯金額を増やすことで達成できるものなのか。先を見据え、今やるべきことを考えなくてはなりません。

 例えば、25年間に貯金だけで差額の1600万円をためるとすると、毎月5万4000円の貯金が必要です。ですが、Oさんは現状の貯金額は月に2万5000円。60歳では750万円までしかたまりません。支出を見直し、貯金可能額を増やせればよいのですが、食費や交際費、娯楽費を削っても、なんとか4万円を絞りだせるかというところ。ボーナスなどである程度カバーできるところもあるでしょうが、今のまま目標とする2000万円を貯金だけで作ろうとするには、無理があります。

生活防衛資金が十分あるなら、
余剰金をすべて投資に回しても大丈夫

 ここを打開するには、投資を検討することが望ましいと考えます。現状でOさんは1年分以上の生活費を貯金で持っているので、生活防衛資金は十分あります。ですから、これから先の月の余剰金のすべてを投資にしてしまっても、問題はないと考えます。

 もし、投資に不安があるというのなら、全額を投資にしなくてもよいのです。貯金とバランスを取りながら、一部に投資を取り入れるだけで、全体の資産形成への効率が良くなります。