初めから山手線を一周するつもりで、乗車した駅と同じ駅で下車するのであれば、初乗り運賃の往復切符を買っておけばよい。ただし、大都市近郊区間内の運賃には、同じ駅を2度通ってはいけないというルールがあるので、東京駅から乗車して外回りで山手線を一周し、東京駅の次の有楽町駅で下車した場合は、山手線一周の運賃280円に、東京―有楽町間の運賃140円をプラスした420円が必要になる。

 では、山手線を3周した場合の運賃はどうなるのか。280円×3=840円が山手線3周分の運賃になる。だが、それより安く山手線を3周する方法がある。「都区内パス」を利用すればよい。

 都区内パスは、23区内の鉄道路線であれば、普通列車の自由席が1日中乗り放題で760円である。どの駅で乗り降りしようが、同じ駅を2度通ろうが構わない。その都度乗車券を買い求めて、山手線のすべての駅で乗り降りすると、初乗り運賃(140円)×30(山手線の駅数)=4200円。都区内パスの約5.5倍に相当する運賃が必要になり、3440円も割高になる。

乗車券を紛失したら
タダで許してもらえるか?

 今やほとんどの鉄道会社でSuicaなどのICカード乗車券が利用できるので、普段から鉄道を使う人にとって、切符(乗車券)を買うという行為が極端に減った。

 以前は、券売機に並んで買った切符を、ズボンのポケットなどに無造作に入れただけ、という人が多かった。ポケットから何かを出した拍子に切符がこぼれ落ちてしまい、降車駅の改札前で慌てて切符を紛失したことに気づく、などということもあった。あるいは、カバンや荷物のどこかにしまい込んで見つからないということもある。