平成以降、外相を経験した首相は2年もたない?

 また、「平成以降の外相経験者首相は2年もたない」というジンクスもある。

 日本では外務大臣経験者が首相へステップアップするというキャリアパスが多い。日本のリーダーは、とにもかくにもアメリカとの安定的な関係構築が最重要課題なので、外相として外交経験を重ねた人が首相に繰り上がるのは当然の流れなのだ。その代表が、吉田茂氏や岸信介氏である。

 しかし、そんな“首相コース”も平成に入ると輝きを失った。

 宇野宗佑氏(69日)、宮澤喜一氏(644日)、羽田孜氏(64日)、小渕恵三氏(616日)、そして麻生太郎氏(358日)と、「外相経験首相」の政権は2年ももっていない。そこで、第二次安倍政権時、2012年12月から2016年8月という長きにわたって外務大臣という要職に就いていた岸田氏が首相になった際にも、このジンクスが発動するのではと見る向きもあるのだ。

「バカバカしい、そんな話があてになるか」と冷笑する人も多いだろうが、口にしている人たちも同様であくまで「ネタ」として楽しんでいる感じだ。もちろん、筆者も信じていない。

 ジンクスも何もそもそも、日本の首相は「短命」がデフォルトだからだ。