株投資 入門&実践#18Photo:PIXTA

銘柄選びにはさまざまな指標で分析することが役に立つ。単一の指標ではなく他の指標も掛け合わせるとより有用な分析ができる。2段階で選別した「株主還元や投資にも余裕があり、化ける可能性を秘めた金持ち会社」はどこか。特集『株投資 入門&実践』(全18回)の最終回では、ネットキャッシュ比率を組み合わせると浮かぶ「最新40社ランキング」をお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

金融危機を経験して現金を
ため込んできた日本企業

 多くの日本企業は、リーマンショックなどの金融危機を経験したことで手元資金を厚くしてきた。しかし、株主からすると、投資もせず、自社株買いや増配などの株主還元もせず、現金を多く保有していることは望ましくない。

 キャッシュリッチな度合いを測る指標として、ネットキャッシュ(現預金+流動資産の有価証券-有利子負債)で時価総額を割って算出するネットキャッシュ倍率がある。

 ネットキャッシュ倍率が1倍未満であれば、時価総額がネットキャッシュを下回るため、その会社を買収した場合は買収金額以上のキャッシュを手にできる。1倍以上であっても、買収で自由に使えるキャッシュを手にできることに変わりはない。

 逆に言えば、キャッシュリッチな会社は、株主還元の余地がある。自社株買いは株価の下支えになる。加えて、PBR(株価純資産倍率)1倍未満なら、自社株買いで1株当たり純資産が増加する。新たな事業に対する投資をする余裕もある。それがうまくいけば、大化けする可能性もある。

 ただ、業績が悪ければ投資対象としては不適格。そこで、予想増益率10%以上の会社を対象に、PBR1倍未満で選んだネットキャッシュ倍率ランキングを作成した。

 1位から4位まではネットキャッシュ倍率が1倍未満だ。さらにPBRも1倍未満。自社株買いに踏み切るメリットは大きい。そのラインナップをみてみよう。