ついには“20時間待ち”も…壮絶極まる現場の状況

 さて、かっぱ寿司の今回のキャンペーンであるが、告知バナーには「かっぱ寿司史上、前代未聞」と銘打たれていたところを見ても、企業にとってこれが一大決心を伴ったプロモーションであることが見て取れる。

 かっぱ寿司はかつて業界1位の売り上げを誇っていたが、現在は好調なスシローやくら寿司に抜かれた格好となっている。だから全皿半額キャンペーンも、かつての帝王の面目躍如、といった趣もあるのかもしれない。
 
 キャンペーン当日、さっそく入店待ちの長蛇の列ができた。

 ちなみに、多くの大手回転ずしチェーンがそうであるように、かっぱ寿司もまた(筆者が観測した範囲では)受付に自動発券機を導入している。来店人数や「テーブルかカウンターか」などを入力すると、着席できるまでの推定時間が表示され、予約受付番号が書かれた紙が発券されるのである。
 
 アミューズメントパークの乗り物に並ぶ際、待ち時間は長いと数時間に及ぶことがあるが、飲食店で待てる時間はどれくらいであろうか。かなりがんばって我慢して、1時間程度が限度かもしれない。
 
 しかしかっぱ寿司のこのキャンペーンの集客力はすさまじく、とある店舗では午前10時台に、はや「616分待ち」が発生したという。この後、いくつかの店舗ではこの異常な待ち時間が更新されていき、ついには20時間を超えるところまであったとネット上では報告されている。
 
「10時間待ち」だからといって、何もその場で律義に10時間待つ必要はない。指定された時間に来店すればいいので、「10時間待ち」はその字面ほど悲劇的ではない。しかし、衝撃的な数字だ。