しかし、「並ぶ時間を時給に換算したら別の場所で違うものを食べた方が絶対にいい」「さもしい」「バカ」など、ずらりと並んだネガティブな声の数々を読んでいくうちに、だんだんと考えが変わってきた。別に並ぼうが並ばなかろうが、いいではないか。10時間待ちも、お祭りみたいで結構ではないか。バカって言う方がバカではないか!…などと思えてきたのである。
 
 それからかっぱ寿司の半額キャンペーンについての記事をいくつかのまとめサイトで読んでみたが、同様にネガティブな意見を集めたものが非常に多かった。
 
 一方、Twitterをさかのぼって、かっぱ寿司の混雑具合についてのツイートをあさってみると、こちらはまとめサイトと打って変わって、ポジティブな声(特に、食事に満足した旨や、現場で業務に当たる店員への激励や共感)が多かった。
 
 Twitterも、個人情報を伏せている限りではアカウントの中の人がわからないので匿名といえるが、一応“アカウント”という自分自身たる存在がいるので、完全な匿名によって行われるネット掲示板などに比べれば“半匿名”程度に感じる。
 
「SNSとネット掲示板」「半匿名と匿名」によって、ポジティブかネガティブかがこうもはっきり分かれるのかと、興味深かったのである。この傾向を理解している賢明な読者諸氏は多かろうし、筆者もなんとなく理解していたつもりだったのだが、今回目の当たりにしたそれは、両者の違いが顕著過ぎたところに驚きがあった。