コロナ時代の酒飲み5原則(1)
1人または2人単位で飲む

 感染症が問題である環境下では、多人数で集まってワイワイ飲むような機会は、いわゆるクラスターを発生させるリスクがあることを認めざるを得ない。

「ワイワイ飲む」ことが楽しいことは十分存じ上げているつもりだが、3人を超える人数で飲むと、会話に物理的な距離が生じることもあって、飛沫が飛びやすい。また、いかにも小心な組織人のような気遣いで情けないが、「多人数の会合が感染源になった場合」の風評のリスクを含む、組織のリスクには気を遣わざるを得ない。社員に「会食禁止令」を出す(何の権限で?)権威主義国家のような不幸な職場にお勤めの読者もおられよう。

「1人または2人単位で飲む」というくらいを線引きにしておくのが、コロナ感染の「第6波」が来ても愚かな「禁酒法」に抵抗できる方策ではないだろうか。

 本当は4人くらいで会話を楽しみながら飲食するのが、いかにもちょうどよくて楽しいのだが、4人組で飲みに行く場合は2人ずつの組に分かれる、というくらいのルールに対応できる心の用意があるといいのではないだろうか。

コロナ時代の酒飲み5原則(2)
小声で話し、静かに飲む

 席の間隔を空けた換気のいい店で、1人ないし2人単位で飲んでも、隣のテーブルの客と大声で話すのでは「別々に飲む」ことの効果が薄れる。

「話すために、飲む」という状況と心境があることは重々承知しているが、お酒は静かに飲むものなのだと心に決めておく方が、心穏やかに飲める。

 酔って話すと、時に声が大きくなる筆者自身も自戒しなければなるまい。

コロナ時代の酒飲み5原則(3)
少し高いお酒を飲む

 席間を空けて時間当たりの客数を減らし、さらに営業時間・アルコール提供時間の短縮まで強要される飲食店の営業は経済的に苦しい。

 もちろん、どの程度「お店を応援」するかは、個人の懐事情や飲み方のスタイルによるだろうが、「いつもよりも少し高いお酒を飲む」と決めるのはいかがだろうか。

 予算面で酒量が減ると、静かに味わって飲むことが容易になるし、いつもと同じだけ飲むとお店の客単価を持ち上げることになる。おいしいからいつもよりも飲むということになるなら、お店を応援する心持ちに勢いが加わって大いに気分が良かろう(飲み過ぎには注意してください)。

 少しずつ高いお酒が売れることは、飲食店にお酒を納入する酒屋さんや酒造メーカーへの応援にもなるし、日本の酒文化のレベルアップのためにもいいことだ。