【台北】大学院生のアンジェラ・オウさん(23)は幼い頃から、台湾で地震が起きたらテーブルの下に隠れ、給水源の近くにとどまることを学んできた。だが、中国の攻撃に対する備えについてはほとんど知らない。  オウさんは「そもそもどこに隠れるのか」と問いかけ、「私には分からない」と話す。  2300万人の台湾市民にとっては長年、中国との武力衝突の可能性よりも、自然災害の方がはるかに高い関心事だった。ところが足元では、中国の攻撃に対する懸念が市民の間で確実に広がっており、有事への備えが十分ではないとして危惧する声も出ている。