世界的な半導体不足が起きてからほぼ1年がたつ。しかし、多くの顧客にとって、納品までの待ち時間はさらに延び、その間に多額の売り損じが生じるなど、事態は悪化の一途をたどっている。家庭向けの水道・光熱利用監視デバイスメーカー、パワーX(ニューヨーク州)を経営するマニュエル・ショーンフェルド氏は、5月にトランスミッションチップを発注した際、納期は夏頃になると告げられた。それが秋、そして冬とずれ込み、今では2022年5月まで届かないだろうとみている。ショーンフェルド氏は「まだ終わりは全くみえない」と話す。世界的な半導体不足は深刻さを増している。待ち時間はさらに長くなり、顧客は買いだめに奔走。来年までの収束の見込みも遠のいている。需要は予想されていたほど一服していない。サプライチェーン(供給網)も目詰まりが鮮明だ。すでにフル稼働で対応している工場は予期できぬ生産障害に見舞われている。
半導体不足、なお見えぬ収束の兆し 納品待ちに拍車
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