ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)は、「AI(人工知能)が動かす世界」が現れつつある中で米国人を守る「権利章典」が必要だと呼びかけた。AIを巡る懸念はよく知られており、十分な根拠もある。すなわちプライバシーが侵害され、透明性が損なわれること、そして偏見のある入力データが偏見のある結果を生み出すことだ。医学や法執行、雇用、融資といった個人や社会の繁栄に不可欠な分野にもそれは当てはまる。AIによってさらに根本的な変化も強いられるだろう。それは人間の理性の優位性が問われるということだ。古今を通じて人間は現実を理解し、自分たちがその中で果たす役割を理解しようと努めてきた。啓蒙(けいもう)思想の時代以降、われわれは人間の理性――調査し、理解し、説明する能力――がこの世界を解き明かす主要な手段であり、そうすることが進歩につながると考えてきた。過去300年間(歴史家は「理性の時代」と呼ぶ)、われわれはその考えに基づいて行動してきた。すなわち探求し、実験し、発明し、築き上げてきた。