ソフトバンクグループのテクノロジー投資はこのところうまくいっていない。特に中国で不調に陥っている。だが同社は自社株に賭けることで、かつての魔法を再現できると期待している。それは短期的な追い風になるかもしれない。ただ、ソフトバンクが好むハイテク分野を巡り、締め付けにいそしむ規制当局を動かす力がない限り、同社株の命運が決定的に好転するとは考えにくい。ソフトバンクが8日発表した7-9月期決算は、純損益が3979億円の赤字となった。10兆円規模の「ビジョン・ファンド」とその後継ファンドの投資損失1兆1671億円が主な足かせとなった。一部の投資は、中国の規制による締め付けの影響を受けた。配車サービス大手の滴滴出行の株価は7-9月期に45%急落した。ソフトバンクは滴滴の筆頭株主だ。もう一つの投資先である韓国の電子商取引企業クーパンは同四半期に33%下落した。