親の声かけ次第で
子どもの可能性は無限に広がる

「将来何になりたいの?」は“刷りこみ”の一種でもある、と英恵さんは言う。

 その理由は、大人にそう聞かれ続けて育った子どもは、「やりたいことは、将来じゃなければかなわない」と思いこんでしまうからだ。

 しかも、やがてその思いこみは、「大人になるまでに、『何になるか』を決めなければならない」という洗脳に変わる。

 その洗脳を受けてきたのが、まさに今「やりたいことがわからない」と悩む若者たちであり、私たち大人自身でもあるのではないだろうか。

「『将来』や『大きくなったら』を取り除いてみてはどうでしょうか。子どもが何に興味をもっていて、何にアンテナを張っているか、何に出合ったときに目を輝かせているかを注視して、花が咲きそうな分野にたくさん種をまいてあげたいですね。今興味があるもの・ことに夢中になっている積み重ねの先に、将来があるのですから」(英恵さん)

 今ある職業の49%は、15年後にはなくなるという説もある。その一方で、エンジニアのようなIT職は、枝分かれして増えつづけている。ハルキくんのように、自分で職業を生みだす個人もきっと増える。

 では結局、なんと聞いたらよいのか。答えは、「好きなことは何?」である。

 そこで子どもが答えたものを、とことんやらせてあげる。その積み重ねのなかで、彼らは学びたいことを、自ら発見するだろう。