エンジンは、まずは直列4気筒の1.5L・VTECターボを用意。e:HEVハイブリッドは開発中。来年、ラインアップに加わる。1.5Lターボは、旧型からのキャリーオーバーと思いきや、乗ると“本当に同じエンジン?”と思うほどの差がある。旧型はパワフルなもののドッカンターボでスムーズさに欠けた。意外に武闘派だったのだ。新型はアクセルを踏んだときのターボの立ち上がりがスムーズ。応答性や過給の立ち上がりの滑らかさ、そして高回転まで力強さが持続する伸びのよさが印象的である。より洗練、より扱いやすいユニットに改善されている。

 トランスミッションは6速MTとCVT。旧型で好評だったMTは継続され、シフトフィール向上とショートストローク化などの改良が実施された。軽いタッチで正確なシフト操作が可能になっている。改良効果が大きいのはCVTだ。エンジン回転と加速感のズレを解消する全開加速ステップシフト制御、減速Gに合わせてエンジンブレーキを併用するブレーキ操作ステップシフトダウン制御を採用。全開にしない限りはCVTだと気づかない仕上がりになっている。とくにブレーキ操作ステップシフトダウン制御は“パドルいらず”といっていい賢さである。

“走りの純度”大幅アップ高い完成度に感銘

 プラットフォームは旧型の改良版。潜在能力を100%活かすために、基本スペックの変更(ホイールベース+35mm、リアトレッド+12mm)をはじめ、体幹強化のために各部をアップデートした。走らせると従来型とは別物である。

 フットワークは軽快でスポーティなフィーリング。操作に対して忠実に反応し、コーナリング時の動きの連続性は抜群。動かすところは動かし、抑えるところは抑えるボディコントロールは見事だ。4本のタイヤを上手に使ったコーナリング姿勢、リアの接地性の高さも印象に残った。新型は圧倒的に“走りの純度”が高まった。旧型を大きく超える“一体感/自在性/懐の深さ/安心感”を備えたハンドリングに仕上がっている。

 走りの純度アップは、アコードに匹敵する直進安定性とドッシリした安定感、やや硬めだが、フラットな乗り味と快適性にも大きなプラスをもたらしている。

 ADASは最先端。新型は、次世代型ホンダセンシングを搭載。世界初の自動運転レベル3を実現したホンダセンシングエリートの技術を水平展開した高機能タイプである。中でも車線維持支援システム(LKAS)の精度は素晴らしい。