現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「イス取りゲーム」の時代
昭和から平成にかけて、「みんなと同じことをやればいい時代」がありました。それは、日本の人口が増えて市場も拡大していたから、全員が右肩上がりに成長できたからです。
しかし、今は違います。人口は減っていくこれからの日本では、縮小していくパイを奪い合う「イス取りゲーム」をしていくことになるのです。
そんな時代では、根本から考え方を変えなくてはなりません。それなのに、お金のことが絡むと途端に頭の悪い判断をしてしまう人がいるので、それについて説明しようと思います。
「誰もやっていないこと」に価値がある
これからは、「誰もやらなかったこと」に価値が生まれます。YouTuberやインスタグラマーとして稼げている人は、まだ誰もその価値に気づけないうちから投稿や編集に打ち込んでいた人たちです。
その方法は、学校で先生が教えてくれるわけではありませんし、親が与えてくれるわけでもありません。若い人が、自らの「面白い」という感覚だけで切り開いたのです。
社会人として「マジメに会社員をするべきだ」と大人たちが言っている一方で、まともではない方法で稼げている社会が成立しているんです。モラル的に良いか悪いかは脇に置かれて、まず市場が形成されるからです。
派遣労働者をたくさん生み出し、人材を右から左に転がすだけでピンハネして儲けている企業だってたくさんあります。もはや人材派遣会社は、立派な会社として認められてしまっています。これだって、モラルを横に置いている例でしょう。
「お金の話」は冷静に
「社会人はこうするべきだ」「この大企業に入っておけばいい」という常識は、どんどん通じなくなっていきます。
自分たちが稼げていない大人に限って、こういうモラル的な話に逃げる傾向があります。つまり、お金の話が絡んだ瞬間に頭が悪い判断をしてしまうのです。
自分の子どもが内定をもらった会社が、「経営が悪化して潰れそうな大企業」でも、親世代は「聞いたことの小さなベンチャー企業より断然いい」と思い込んでしまいます。これも、感情に流されてしまって冷静にお金の判断ができない例です。
というように、モラル的な感情が絡んでしまって「稼げるかどうか」の感覚が鈍ってしまう人が多くいるのです。ただ、これからは市場のパイがどんどん小さくなっていく時代です。個人として、どういう判断軸を持てばいいのか、ちょっと考えるようにしましょう。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。