頭を抱える男性写真はイメージです Photo:PIXTA

2021年も年末調整のシーズンになりました。会社から渡された年末調整の書式を見て、複雑すぎて戸惑った人もいるのではないでしょうか。実は、昨年から書式が複雑になっています。そこで懸念されるのが、「正しく書ける人」と「正しく書けない人」との間に、税負担の差が生じるかもしれないということです。書く際のポイントや節税のコツを解説します。(元国税専門官 小林義崇)

年末調整は年々間違えやすくなっている

 給与所得者は、源泉徴収という形で所得税(※復興特別所得税を含む)が天引きされています。この所得税は、あくまで仮の税額ですから、本来の税額と差が生まれるものです。この差を埋めるために行われる手続きが、年末調整です。

 大部分の給与所得者は、この年末調整によって、その年の所得税の納税が完了します。年末調整により還付金が発生し、12月の給料やボーナスと合わせて支給されるのが一般的です。

 そのため、年末調整の書式を漏れなく記載することは、節税につながるのですが、この書式を仕上げるのは簡単なことではありません。

 ところで、年末調整を毎年している人は、昨年から書式が複雑になっていることに気づいたでしょうか?

 税制改正により書式の記載項目が変わるのは普通のことですが、近年はどんどん複雑になってきています。試しに、令和3年分の年末調整の書式を、2年前のものと比較してみましょう。

【令和元年分の書式】

 【令和3年分の書式】