ゴシップネタを
予算委員会に持ち込まない

 三つ目は「予算委員会にゴシップネタを持ち込まないこと」です。

 予算委員会の中継をご覧になった読者の中には、次のように思った人も多いのではないでしょうか。「これはいったい何の質問なのか? 予算に関係がある質疑なのか?」と。

 そうです。本来は予算に関する審議をするのが予算委員会です。しかし、それがいつの間にか野党の政府追及パフォーマンスの場と化してしまいました。

 特に目立つのが、週刊誌のゴシップネタを巡るやり取りです。

 議員の私生活などについて、まるで風紀委員のように問いただす姿、またそのときの質問者の「したり顔」は、政治への信頼を失墜させることにつながっているのではないでしょうか。

 そういえば、安倍晋三氏が首相時代、国会でたびたびクイズを出していた議員が立憲民主党にいますよね。「国会のクイズ王」と呼ばれていたそうですが、あのような質問には何も生産性はありません。総理大臣であっても人間です。知識の偏りがあって当たり前です。建設的な議論を国会の場ではすべきではないでしょうか。

 このような無意味な質疑を繰り返すのではなく、本質的な議論を繰り広げていただきたいと思います。

 なお、予算委員会でも、NHKによる生中継がないときは意外と本質的な議論がされることもあります。こういう議論をカメラが入るときにもやれば立派なのになぁ、と新人議員のときに思ったことを昨日のことのように覚えています。

 野党だから国会議員としての仕事ができないなんていうことはありません。地元の祭りに顔を出しまくることや、国会で批判や追及をすることだけが野党の仕事ではありません。

 確かに絶対的多数を握っている政権与党には、予算や法案成立に向けてのパワーはかなわないかもしれません。一度、民主党で政権を担ったことがある議員の皆さんならよくお分かりでしょう。だからこそ、野党自らが率先して国会改革に乗り出せば、多くの国民の支持を得られることは間違いありません。

 どなたが立憲民主党の代表になられようと、これら三つのことをお願いしたいのですが、中でも、かつての好敵手の泉氏にはぜひ、代表として旗を振っていただきたいと心から願う次第です。

(元衆議院議員 宮崎謙介)