立憲民主党の枝野幸男代表「党の顔」として総選挙に臨んだ立憲民主党の枝野幸男代表だったが、結果は惨敗。11月2日、代表を辞任する意向を表明した Photo:JIJI

10月31日の総選挙は、立憲民主党の惨敗に終わった。与党に対する批判票の受け皿になれなかった理由は大きく二つ。一つは、枝野幸男代表をはじめとする民主党政権時代の「悪いイメージ」がつきまとう人々だ。これについては、枝野氏が代表を辞任する意向を表明したが、もう一つの理由として、日本経済を任せるのはあまりにも心配だと思う「残念な経済政策」が挙げられる。これを刷新し、立憲民主党が立ち直ることに期待したい。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

総選挙の敗者は立憲民主党
「反与党」の受け皿になれず

 10月31日に投開票が行われた衆議院議員選挙では、与党自民党が改選前議席を15議席下回る261議席、野党第1党の立憲民主党が14議席減の96議席、日本維新の会が30議席増の41議席、などの結果となった。

 はじめに申し上げておくが、筆者は立憲民主党の候補に投票した。理由は、与党に対する批判票として最も有効な投票だろうと考えたということ「だけ」だ。

 自民党は、もともと前回の大勝の反動が予想されていたし、選挙前に一時は単独過半数の233議席が危ういかもしれないと言われていた。そうした情勢を考えると、全ての常任委員会で委員の過半数を獲得し、委員長ポストを独占して国会審議を有利に進められる絶対安定多数の261議席を確保できた結果は「上々」だろう。

 今回の総選挙で生じた最もインパクトの大きな勝敗を、筆者は立憲民主党の後退だと考えている。同党は結果的に、冒頭に述べたような期待に応えてくれなかったわけだが、その理由を考えてみたい。