企業の会長の男性器が小さいのは重要なことなのか。米ゲームソフト小売り大手ゲームストップのライアン・コーエン会長が19日、逆さにつづったツイッター投稿でそう告白したとたん、株主には5億ドル(約570億円)の価値が転がり込んだ。それでは、会社の最高経営責任者(CEO)の下着姿はどうだろう。米映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングスのアダム・アーロンCEOが6月、ビデオインタビューに応じている間にノートパソコンのカメラが傾いた際には、時価総額が何と30億ドルも跳ね上がった。いわゆるミーム(はやりネタ)株を高騰させるあれやこれやを笑うのは勝手だ。だが、冷静な投資家の多くも、インデックスファンドを通じてこれらの銘柄を意外なほど多く保有している。「エイプス(猿から転じて強気一辺倒の群れの意)」と呼ばれる熱狂的な個人投資家が大騒ぎしている間、たまたまミーム株を保有しているアクティブマネジャーは利益を確定し、ほくほく顔で銀行に行ける。だが、そうしたチャンスは、低コストのパッシブ投資で負け戦を続けてきた向きには、ごくまれにしか訪れない。