国内製薬最大手である武田薬品工業を巡り、関西系二大ゼネコンである竹中工務店と大林組が受注争いを繰り広げている。この「竹林戦争」を関係者は「長年強かった大林を竹中がつぶしにいったわけや」と語る。特集『ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁』(全15回)の#2は武田薬品を巡る受注争いの内幕、ゼネコンと製薬各社との関係を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
大林が独占状態だった武田薬品
竹中がひっくり返す「竹林戦争」
大手ゼネコンの竹中工務店と大林組は共に関西に地盤があり、関西系企業の建築案件で圧倒的に強い。両社は近鉄グループホールディングス(HD)、阪急阪神ホールディングスなどの建築案件を巡って遺恨を残すような受注競争をしてきた。2社のホットな戦いが、近年は製薬最大手の武田薬品工業でも繰り広げられている。
大林組は戦前から、武田薬品の大型案件をほぼ独占状態で受注してきた。それを近年、竹中工務店がひっくり返している。竹中工務店が武田薬品の神奈川・旧湘南研究所(2011年竣工)、東京・グローバル本社ビル(18年竣工)を受注してみせたのだ。
ゼネコン関係者は「タケダを巡る『竹林戦争』ですわ」と語る。