警察が反社会的勢力をつぶす動きを見せる九州で、反社との関わりがあるとされた地元建設業者が、あっという間に倒産した。そうなった裏には、シビアな“縁切り”があった。特集『ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁』(全15回)の#12では、九州のレポートをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
暴力団との関係が公に
わずか2週間で倒産
九州で有力な建設業者だった九設の元社長が11月10日、福岡県や市を提訴した。
同社は福岡県警察に暴力団と密接な交際をしていた企業として4月27日に公表され、5月10日に自己破産を申請している。しかし、元社長は暴力団員であるとは知らなかったと主張。公共工事への参加をさせない措置は違法であるとし、措置の取り消しと損害賠償を求めたのである。
地元建設関係者や建設業以外の者たちは当時、倒産の知らせに目を丸くして驚いた。業績が堅調だったにもかかわらず、反社会的勢力との関係が公にされてからわずか2週間でつぶれたからである。