ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁#14Photo:PIXTA

「戸建て王国」とも呼べるであろう愛知県。しかし、これからやって来るであろう建設業倒産・廃業ラッシュにおいては、一戸建てを得意とする建設業者が焦点になりそうだ。特集『ゼネコン 地縁・血縁・腐れ縁』(全15回)の#14では、愛知県・名古屋のレポートをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

愛知の新設住宅5割が一戸建て
勝ち組エリアに暗雲

 愛知県は一戸建ての人気が高いところだ。

 大都市のある都道府県で比べると、新設住宅着工数に一戸建てが占める割合は東京都が2割強、大阪府が約3割、福岡県が約4割であるのに対し、愛知県は約5割(国土交通省の建築着工統計調査)。この10年を見ても、東京都と大阪府はマンションへシフトして一戸建ての割合がどんどん減っている。対して愛知県は、ほぼキープしてきた。

 人口の多い都市を抱えるこの地で、建設業者は一戸建ての仕事に恵まれた。

 しかしここにきて、県内でも勝ち組とされてきたエリアに暗雲が垂れ込めている。