30~40代で不貞関係に陥る女性の相手は、年下の男性が多いことも近年のあるあるです。寂しさと母性から、年下の男性をかわいがりたくなるのでしょう。不貞調査で年下と推定される男性と食事に行く際のお会計は、対象女性が済ませるという光景もよく目にします。

 さらに食事の場所は、焼き肉屋さんが多いというのも隠れたあるあるです。「何が食べたい?」と聞かれた年下男性は、おなかいっぱい焼き肉が食べたいのでしょう。食後に女性が口や髪や衣服のにおいを気にするのはお構いなしで、自らの食欲を満たすことを優先している姿もまた、母性をくすぐるのでしょう。

 といったわけで、近年、女性を尾行することが多くなりました。手ごわい以前に、女性しか行くことができない場所や、女性以外がいると不自然な場所がたくさんあるから大変です。

 電車であれば女性専用車両や、女性用トイレも我々男性探偵では立ち入って情報を取ることができません。デパートの女性服売り場や下着売り場、女性が好みそうなカフェなどは男性探偵がうろついていると、違和感そのものでしかありません。

女性の尾行は
○○を見ろ!

 そのうえ、女性には特有の危機管理センサーが備わっていると思います。夜道で自分以外の足音が一定間隔で継続的に聞こえると、警戒対象として認識するのです。「女性は背中に目がある」という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、まさにその通りなのです。

 見逃すまいとする探偵の鋭い視線を、センサーがキャッチするのです。尾行中の突然の振り返りに慌てふためく新人探偵を見る度に、私は先輩から教えられた「女性の尾行では背中を見るな! ケツを見ろ!」という言葉を伝えるのです。

 読者の方に尾行を勧めるものではありませんが、女性には男性が持ち合わせていない危機管理センサーと鋭い勘が備わっていますので、頭の隅に置いておいてください。