また、尾行の対象ではない外国人にも注意が必要です。正規のルートで日本に入国せずルールに則った滞在をしていない外国人は、非常に警戒心と猜疑(さいぎ)心が強く、自分が調べられているのでは?と少しでも思うと、むき出しの敵意を向けてくるのです。

 問答無用でカメラを奪われて壊されたこともありますし、尾行車両を取り囲まれたこともありました。

 そういった修羅場をくぐり抜けて探偵の証拠撮影技術は、ピカピカに磨かれていくのです。

1位「子ども」
調査終了後の写真に衝撃の姿

 最後に、1位を子どもとしました。意外に思われる方も多いとは思いますが、これほど手ごわい存在はないとつくづく思います。特に手ごわいのが小学生です。

 好奇心が強く遠慮知らずの彼ら彼女らは、ガン見することをためらいません。その年代の子どもを連れた対象者の尾行は難渋を極めます。明らかに私を指さして、親である対象者に何かしら言っている光景は何度も見ました。

 幸運にも尾行中にそういった行動が見られず、調査終了後に報告書を作成するため証拠画像を選定しているときに、子どもがカメラ目線でピースをしている画像が何枚かあり、背筋が冷たくなるような経験をする、というのは探偵あるあるです。調査中、それに気づけなかった自分自身に、自信をなくしたことも何度かありました。

 また、対象者が子どもというケースもあります。めったにはありませんが、ご両親から、我が子が学校でいじめに遭っていないか心配するあまり、下校の様子を調査してほしいという依頼があるのです。やってみると分かりますが、学校付近や小さな子どもの周辺にいる大人というのは、客観的に見て違和感そのものです。周りの大人は警戒心を持つものです。