不審者扱いされ
職務質問を受けることも

 調査の第一段階として、小学生対象者の下校を待ち受けるために車の中で張り込むのですが、学校付近に長時間車を止めていると、すぐに通報されます。学校関係者や保護者が鋭く目を光らせているのです。職務質問されようものなら、不審者としてさらし者となりお手上げです。

 それをかいくぐって尾行を開始しても、興味を持って周囲を見ている子どもの視界に入ってしまうと、途端に興味の対象そのものになってしまうので、これもお手上げです。

 さらにそれをかいくぐったとしても、子どもの行動は私たち大人の想像の域を超えてきます。急に走ったり、道端に寝転がったり、子どもしか通れないような細く狭い空間を通ったりと奇行にも思えるその行動は数えあげたらキリがありません。

 子どもが対象の依頼は、即座には受けないというのは探偵あるあるです。

「『手ごわい対象者』に『依頼者のため』に必死に食らいつく探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。