「膝を曲げ伸ばしした時に出る音には、良い音と悪い音があります。例えば、指の関節を故意に鳴らす人がいますが、あれは関節の中の圧が急に変化して生じる音とされていて良い音です。正常な膝軟骨は、関節液につかっているので、摩擦抵抗が非常に小さいため軟骨からの音はせず、周囲の軟部組織からの音がパキパキすることがあります。一方、加齢などで膝軟骨内の水分量が減ると軟骨が摩耗しやすくなり摩擦の抵抗が大きくなってしまいます。さらに軟骨が減って軟骨下骨が露出してくると『ギシギシ』『ボキボキ』といった音が鳴ると考えられています」(丸山院長)

 また、症状が進行して滑膜炎により水が溜まると音が鳴っているのか分からなくなることがあるという。「生活に支障が出るほどの痛みではなく、膝の音がしないからと放置しておくと、軟骨下骨が完全に露出し、手で触った時にザラザラとした感じになります。そこまで症状が進むとレントゲンですぐに変形性関節症か判断できます」(同)

 音以外にも膝の状態を知るチェックポイントがある。下記の特徴に一つでも当てはまった場合は早急にケアを始める必要があるという。

【膝痛危険度チェックリスト】
□ 膝から、いつもと違う音がする
□ 動き始める時に膝の音がする
□ 階段を上り降りする時に膝の音がする
□ 激しいスポーツをしている、していた
□ 座ったり立ったりが多い生活をしている
□ 膝にこわばりを感じる
□ 曲げ伸ばしすると膝の音がする
□ 膝が腫れているまたは熱感がある
□ 過去に膝にけがをしたことがある
□ 最近歩き方が変わってきた
(監修/丸山院長)