1日2時間以上のスマホは
うつのリスクを高める?

 そんなふうでは「頭」と「目」の休まる暇がありません。「情報疲れ」をするのも当たり前でしょう。

 いくら大量の情報を手に入れられるからといっても、それと引き換えに心身が疲れきってしまってはいい仕事ができなくなってしまいます。

 どんなにSNSをこまめにチェックしたところで、実際の人間関係が充実するわけではありません。そもそも、そうやって手に入れている情報は、本当に仕事やプライベートを充実させるために必要なものなのでしょうか。

 体のためにも、心のためにも、さらには人間関係のためにも、スマホの使い方をよく考えるべきときなのではないでしょうか。

『スマホ脳』(久山葉子訳/新潮新書)というベストセラーの著者であるスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン博士によると、

「一日2時間を超えるスクリーンタイム(使用時間)は、うつのリスクを高める。現代人のスクリーンタイムは一日平均4時間に達している」

 とのこと。

 このことからも、スマホの使用時間を「半分、減らす」のがちょうどよいことがわかります。最終的には「2時間未満」に、できれば1時間程度にまで減らすのがベストだと私は考えています。

 もはやスマホは、仕事を含む生活の必需品ですから、「まったく見てはいけません」というのは非現実的です。「常に見ている状態」から「まったく見ない状態」に移行するのは極端すぎて、生活のバランスがゆらいでしまうかもしれません。そこで大事なのは、やはり「中道の精神」なのです。

 私がよく「スマホ依存が顕著で、情報の洪水におぼれて生きづらくなっている」かのように見える患者さんに申し上げるのは、

「まず夜寝る前だけでも、スマホを見るのをやめてみましょう。睡眠の質がぐっとよくなりますよ」

 ということです。