大学生が何を知りたいかについては、出版企画の打ち合せの続きで学生に聞くとして、先生役を期待される筆者の側で、大学生にお金について何を伝えたいかを10個の原則にまとめてみた。

お金は、ただただ合理的に扱え
大学生に伝えたい「お金の10大原則」

 大学生に伝えたいメッセージを短くまとめると、主題としては「お金は、ただただ合理的に扱え」、副題は「うまい話の限界と理由を知れ」ということになるだろうか。

 この二つだけでは抽象的なので、具体的に教えたいことを原則風の項目にまとめてみた。項目の数を10個立ててみた。

お金の10大原則(1)
金利は複利で考えよ

 預金には利息が付き、借金をすると金利を取られることは、程度の差はあれ、大学生なら知っている。しかし、特に借金の金利が複利で雪だるま式に膨らんでいくことを実感している若者は少ない。

 世間では投資にあって強調される「複利」の効果だが、むしろ借金について計算させてみて、複利の効果を実感させることが良い教育だろう。

 また、金融に関する損得計算は基本的に複利の利回りで行うものだ。外貨預金の単利表示に簡単にだまされるような社会人にはなってほしくない。

 応用として、将来価値から現在価値を計算する「割引現在価値」の考え方と計算ができるようになれば、将来、株式投資や不動産投資に取り組むことができる基礎ができる。

 なお、厳しく言うなら、「割引現在価値」を理解しない者に株式投資を勧めるのは、セールス上の勧誘か、単に投機をそそのかしているかのいずれかでしかない。