お金の10大原則(2)
世の中の利回りの相場を知れ

 例えば、国債の利回りは、(ほぼ)無リスクとされる金利の現在の「相場」だ。この相場以上に利回りが得られるとすると、その背後には、何がしかの大きさの損失リスクがあることに想像が及ばねばならない。

 また、例えばローンの金利にしても、その「ひどさ」を知るためには、世の中の(市場で形成されている)普通の金利を知らねばならない。

 そして機関投資家が想定する運用利回りでは、内外の株式の期待リターンは、無リスク金利プラス年率5%から6%程度のものだ。これを大幅に上回る期待リターンがあるとする期待や、それに基づく勧誘には注意が必要だ。

 世の中の「相場」から、かけ離れた利回りが想定されるもうけ話は、それ自体があやしいと思う勘が働かなければならない。

 しかし、偏差値の高い大学の数学に強い学生でも、FXや日経平均先物の自動売買システムの研究に熱を入れたりする場合があるので、「相場並み」で納得することは、若者にとって案外ハードルが高いのかもしれない。

お金の10大原則(3)
「悪い借金」をするな

 逆にしてもいい借金は、(1)借金の金利以上に収益が得られる資金使途がある、(2)自分が確実に返せる金額である、(3)金利が市中金利から大きく離れていない、の3条件が必要だ。例えば、うまく経営されている企業の借金はこれらの条件を満たしている。

 個人ができる借金では、住宅ローンや奨学金がこれらの条件を満たすことがある。資金使途がフリーで担保を取らないようなローンは、(3)の条件を満たさない場合が多い。

 2桁パーセントの金利が珍しくないカードローンは悪い借金だし、クレジットカードのリボルビング払いも同様の金利が付く借金生活への入り口だ。

 クレジットカードの支払いをリボ払いにする恋人とは結婚しない方がいい。正しい経済観念がない配偶者と一緒になると苦労するからだ。