お金の10大原則(4)
自分が使えるお金の額を知れ

「自分の数字」による詳しい計算方法は希望者に別途教えるとして(インターネットで「人生設計の基本公式」と検索してみてください)、厚生年金があるサラリーマンなら、手取り収入の15〜20%程度を将来のために蓄えて、投資等に回す必要がある。

 つまり、手取り収入の80〜85%くらいが「自分の使えるお金」なのだ。

 お金を貯めることは、支出を節約することと裏腹だ。良い節約の条件は、(1)確実にできて、(2)ストレスが小さく、(3)実害が少ない、の3点だ。大きな固定費(家賃、生命保険料、通信費、各種サブスクリプション〈定額課金〉の契約)から見直していくのがセオリーだ。

 キャッシュレス決済時代の家計の大まかな管理には、使用するクレジットカードをなるべく絞り込んで、カードの使用明細を眺めてみるのがいい。

お金の10大原則(5)
貯蓄と投資の習慣を早く作れ

 必要な貯蓄額・投資額が分かったとして、これを実行するには、給料等の収入から定期的に一定額を貯蓄・投資に回す仕組みを早く作ることが望ましい。

 新社会人になったら、なるべく早い段階で確定拠出年金(企業にあれば企業型を使い、なければ個人型=iDeCoを使う)、つみたてNISA(少額投資非課税制度)等の利用の設定を終えて、利用を開始したい(当初の積立投資額は5000円ずつでもいい)。

 確定拠出年金とNISA(またはつみたてNISA)については、「なるべく大きく使うこと」と「世界株式(ないし先進国株式)のインデックスファンドで手数料の安い投資対象を選択すること」の二つを覚えておくといい。

お金の10大原則(6)
投資はシンプルに行え

 普通の個人の投資は、全世界の株式のインデックスファンド(できれば日本株を含む全世界株式がいいが、日本株を除いたものでも大差はない)の運用管理費用が安いものに投資しておくといい。大手のネット証券ならそうした商品を扱っているし、ネット証券はセールスマンによる勧誘がない点でもいい。

 数カ月分の生活費を別途確保して、残ったお金はこれに投資して放っておこう。株価の上下は専門家でも当てられない。努力しても改善しないものについて努力するのは無駄だ。上げ相場にも下げ相場にもすべて付き合うつもりで、じっと持って投資していたらいい。

 売るのは、将来お金が必要なタイミングに部分的に解約するときだけでいい。