お金の10大原則(7)
新入社員に生命保険はいらない

 新入社員に生命保険はいらない。いらないのだが、何らかの人間関係を通して保険を勧められることがあるので注意しよう。

 保険は、基本的にリスクをヘッジするために行う「損をする賭け」だ。必要がなければできるだけ関わらない方がいい。扶養家族がいない場合には自分の死亡保障の保険が要らないことが分かる人でも、病気が不安だからといって、がん保険などの民間の医療保険に加入するケースがある。しかし、これは健康保険があれば不要である余計な出費だ(ネットで「高額療養費制度」を調べてみてほしい)。

 また、保険は資産形成に適さないので、外貨建て保険を中心とする年金保険や終身保険のような貯蓄性の保険でお金を運用しない方がいい。

お金の10大原則(8)
他人の話を正しく疑え

 お金の世界では、「普通よりももうかるという話を教えてくれる人」や、「無料またはごく安価に相談の時間を使ってくれる人」は、基本的に「あやしい人」だ。

 例えば、投資信託について、インデックスファンドよりももうかるアクティブファンドを選ぶことができると言い張る人は、(1)無知か、(2)うそつきか、(3)セールスマンだ。「投信の目利き」など存在しないのが現実だ。

 また、税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)などの自称専門家でも、相談にかこつけて生命保険を売ったりする(後で保険会社からお金をもらう)人が少なくないので気を付けよう。

「お金のことは、あなたからの相談料以外の手数料でもうけられる人に相談してはいけない」のが大原則だ。

 FPにお金の問題を相談する場合は、(1)金融機関に属していなくて、かつ生命保険などの商品を扱っていないFPに相談する、(2)できれば別のFPから「セカンドオピニオン」を取る、その代わり(3)相談料はしっかり払う、といった形が好ましい。普通の人はかなりの「無駄」を抱えているので、相談料の元はすぐに取れる場合が多いことを付記しておく。

 お金の世界を、ジャングルに例えるか大海原に例えるかは人によるだろうが、いずれにせよ、多くの捕食者があなたを狙っていることを覚悟せよ。